メモリーツリーの作り方


 ここではメモリーツリーの作り方について解説します.メモリーツリーとは知識の表現方法の一つで,
 マインドマップというものが元になっているようですが,それらがどういうものかについては
 それぞれの説明サイトを参照してみてください.簡単に言えば,知識を単発ではなく,
 繋がりやまとまりをもたせて理解する方法です.ノートにまとめる方法で上手く効果が上がらない人は
 試してみてはどうでしょうか.ここでは純粋にその作り方を解説します.

Step.1

 
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 まずメモリーツリーに仕上げたいテーマを決め,そのテーマに関係のあるキーワードを抽出します.
 まだレイアウト前ですので場所は適当です. キーワードですので基本は名詞,それが難しい場合は
 最低限の文章とします.


Step.2

 
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 これでだいたいの抽出が終わりました.次以降の作業で新しいキーワードを思いついたら
 追加していってもかまいません.


Step.3

 
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 ここが一番重要です.抽出したキーワードのカテゴリー分けと結びつけをします.
 カテゴリー分けは「評価」「治療」「四大徴候」などのカテゴリーごとにキーワードをまとめること,
 結びつけは「ドーパミン低下」に対する「L-ドーパ」,「小きざみ歩行」に対する「床に印」など
 関係のあるキーワードを結びつけることです.特に結びつけが大事で,これを丁寧に考えると,
 メモリーツリーの質がぐっと上がります.


Step.4

 
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 次はレイアウトです.Step.3のカテゴリー分けと結びつけでキーワードがまとまりを持っている
 はずですので,それらを表現しやすい位置に再配置します.紙は新しいものに変えてください.
 またビジュアルに訴えた方が印象が強くなりますので,イラストで表現できる内容や
 色分けも確認します.


Step.5

 
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 また紙を変え,Step.4で作成したレイアウトをもとにメモリーツリーを作成します.
 色や形を活用してカテゴリー分けや結びつきをわかりやすく表現します.
 イラストは上手に描く必要はまったくありません(ここに時間をとられないでください).
 自分がわかればいいので落書きレベルで十分です.もし他人と共有するとしても,
 「これ何描いたつもり?え,犬なの?マジで!?」といったやりとりが記憶を強化してくれるのです.

 ・・・以上がメモリーツリーの作成方法です.ここからは完成品を参考にポイントを説明します.

 
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 左のメモリーツリーは理学療法士養成校の学生さんに作ってもらったものです.キーワードの
 カテゴリー分けや結び付け,それぞれの特徴的な表現が良くできている作品だと思います.
 特にイラスト化については,トラコーマやデング熱など,誰もが一度は頭に浮かびながら,
 「ダジャレかよ!」と独りツッコんで封印してしまうようなアイデアを勇気をもってイラスト化して
 いますので,誰もが抵抗感無く印象に残る表現だと思います(褒めています).
 
 
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 こちらは残念ですが失敗例です.重症筋無力症についての疫学や評価など,情報としては
 挙がっていますし,カテゴリー分けもできているのですが,結びつけが全くできていません.
 この状態ではメモリーツリーとは呼べず,「整理されたノート」といった感じです.これでも
 学習効果はありますが,メモリーツリーに仕上げるには症状→評価→治療といった,
 それぞれのキーワードの結び付けが重要です.



 以下に学生さんたちに作ってもらったメモリーツリーを並べておきます.テーマやレイアウト,表現方法など作者によって多種多様ですので,
 制作の参考にしてください.ただしメモリーツリーはその人自身の頭の中を視覚化したものですので,ここで紹介している
 メモリーツリーの形があなたに合っているとは限りません.ですから参考にはしても,あなたが自分の勉強に使うメモリーツリーは自分自身で
 作ってみてください.

 メモリーツリーは慣れれば炎症などの病態や,防衛機制など結び付けのしにくいものでも作成することができますが,初めてメモリーツリーに
 挑戦する場合は「疾患」から始めた方が,症状→評価→治療など結び付けやすいキーワードが多いのでやりやすいと思います.ある程度の数を
 作ることができたら,「中枢」「整形」「病態」など分野別にファイルにまとめていきましょう.

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