■RICE処置
RICE(ライス)処置とは、打撲や捻挫など外傷を負った時の代表的な応急処置方法です。Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとって名前にしています。処置が早いほど外傷後の症状を軽く抑えることができますし、外傷そのものの治癒も早くなりますから、ぜひとも覚えておきたい応急処置です。
■Rest:安静
ケガをした場所を動かすと、炎症が悪化して痛みや腫れがひどくなったり治癒が遅れてしまうため、まずは患部を動かさず、安楽な姿勢で休みましょう。安全な場所への移動など、どうしても動かさなければならない場合は、板やタオルなどで患部を固定してください。
■Ice:冷却
ビニール袋の中に氷を入れたものや保冷材を使って患部を冷やします。血管は冷やされると細く収縮する性質があります。これによって炎症の悪化を防いだり、出血している場合は出血を抑えることができます。直接氷を当てると凍傷になる恐れがあるので、タオル等を巻いてから当てましょう。コールドスプレーなど瞬間的に冷却できるものもありますが、持続的に安定して冷やすことを考えると氷や保冷剤がおすすめです。
■Compression:圧迫
患部を包帯やテーピングで圧迫することで、出血や腫れを抑えることができます。末端ほど強い圧力で、体幹に向かうほど徐々に低く圧迫するのが理想的ですが、これには若干練習が必要です。不安な場合はあまり強く圧迫しすぎないようにしましょう。強く圧迫しすぎると、指先などの末端が青黒くうっ血したり感覚の異常が出ますので確認しながら行ってください。
■Elevation:挙上
重力の影響で、血液の圧力は心臓から低い位置にあるほど強くなり、出血や腫れもひどくなります。楽な姿勢で横たわり、イスやクッションなど手頃な台の上に患部をのせて、できるだけ心臓と比べて高い位置にしましょう。
■RICE処置をしたら急いで医療機関へ!
以上がRICE処置です。いずれもそれほど特殊な道具が必要なく、知っていればできることばかりですから、万が一怪我してしまった場合はこのRICE処置を実践してください。そしてこれはあくまで応急処置であることを忘れずに、その後は必ず医療機関を受診するなどして必要な処置をしてもらいましょう。