本文へスキップ

イラストレーターと
ハンドメイド作家の
理学療法士のサイト

見出しNo.40 頭痛の56%は自分で対処できる 前編

緊張型頭痛

 頭痛は悩まされている方が非常に多い症状です。一度も頭痛を感じたことがない人はいないと言っても良いくらいではないでしょうか。
 しかし一口に頭痛と言っても原因は様々で、重篤な病気の前駆症状であるような危険な頭痛から、日々のエクササイズで軽減できるようなものまで様々です。もし皆さんが頭痛に悩まされているようでしたら、まずは医療機関の受診をお勧めします。そのうえで、緊張型頭痛と呼ばれる原因のはっきりしている頭痛については、これからご紹介する方法で対処することが可能です。

 頭痛には大きく分けて2種類あります。1つは“偏頭痛”で、脳の血管が拡張することで神経を刺激し頭痛を発生させるものです。これは過去のリハビリコラム“雨が降ると膝が痛い”で触れている頭痛でもあります。今回のコラムではもう一つの頭痛“緊張型頭痛”にスポットを当ててみます。
 日本人を対象とした頭痛の調査は、1997年にSakai、Igarashi 1)によって行われています。これによると偏頭痛の有病率は全体の8.4%、緊張型頭痛は22.4%、その他の頭痛は8.9%という結果になりました。つまり日本人の4割くらい(39.7%)は何らかの形で頭痛を抱えており、そのうち半分以上(56.4%)は緊張型頭痛ということになります。
 緊張型頭痛は、首や肩の筋肉に溜まった老廃物が神経を刺激することで起こります。首や肩の筋肉が長時間緊張していると血流が低下し、乳酸などの老廃物が蓄積します。それらが近くにある神経を刺激して痛みを発生させます。これが緊張型頭痛が起こる原因であり、肩こりも同じ理由で起こります。原因が同じですから両者はセットで起こることが多く、どちらも同じ対処法で治療することができます。


不良姿勢が原因の緊張型頭痛

 緊張型頭痛の始まりは上記の通り首や肩の筋肉が緊張することですが、さらにその原因には大きく分けて2つ、“精神的ストレス”と“不良姿勢”があります。精神的ストレスは個人により様々な理由があり、その対応も多岐にわたるため、残念ながら簡潔に解決策を示すことができません。今回話題にしたいのは不良姿勢の方で、これを原因とする緊張型頭痛について対処法を説明します。


対症療法と原因療法

 緊張型頭痛は上記のように、首周囲の筋肉が緊張し血行不良を起こすこと(肩こり)が直接の原因です。肩こりの大部分は長時間の偏った姿勢によって引き起こされ、これが頭痛を発生させているため、マッサージなどで肩こりをケアすれば一時的に頭痛も治まります。しかし、そもそもの肩こりの原因である不良姿勢が変わらなければまた肩こりが再発し、頭痛も元に戻ってしまいます。
 よって確実に頭痛を解消するには、ひとまず肩こりの症状をケアしつつ、根本原因である不良姿勢を矯正することが必要です。今回のコラムでは、まず肩こりの症状を解消する方法について解説します。


筋ポンプ作用で血行改善

@肩挙げ
両肩を同時にギュッと強く持ち上げ、力を抜いてストンと落とします。これを10回繰り返します。緊張と弛緩のメリハリがポイントです。


A肩回し
肘を曲げて、肘の先で大きく円を描くように両肩を回します。前方向へ5回、後方向へ5回まわし、これを2セット行いましょう。腕だけでなく肩甲骨まで回すのがポイントです。


温熱作用で血行改善

@入浴
38〜40℃くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかるのが効果的です。肩の筋肉周辺の血流量が増加することにより老廃物を排出するのと、リラックスすることによる筋緊張抑制が期待できます。


Aホットタオル
お湯で温かくなったタオルを首から肩にかけて当てます。10〜15分程度です。
タオルは40〜50℃程度のお湯に濡らして絞ってもいいですが、電子レンジを使うのが手軽でおすすめです。水で濡らしたタオルを軽く絞り、500W前後なら30〜60秒程度温めます。火傷をしないよう気を付けてください。


ストレッチで血行改善

@僧帽筋ストレッチ
顔を前に向けたまま首を右に傾けて手で押さえ、ゆっくりと顔を下に向けます。耳の後ろあたりから肩の先にかけて、筋肉が伸ばされるのを感じられると思います。左肩を下げるとさらに僧帽筋が伸張されますので、強さを調節してください。そのまま20秒ほど伸ばします。これを左右繰り返します。


A脊柱起立筋ストレッチ
頭の後ろで手を組み、上半身を右に曲げながら左肘を天井に向けます。そのまま背中を丸めるように上半身を前に倒すと、背骨の左横あたりの筋肉が伸ばされるのを感じられると思います。そのまま20秒ほど伸ばします。これを左右繰り返します。

※強く伸ばしすぎて痛みを感じると、“防御性収縮”という現象が起こり筋肉はかえって緊張します。痛みを我慢するほど効果が高くなるわけではありませんので、適度な強さで行ってください。


参考文献
1)Sakai F,Igarashi H.Prevalence of migraine in Japan:a nationwide survey.Cephalalgia.1997;17:15-22.



青木双風(あおきそうふう)青木双風

イラストレーター
ハンドメイド作家
理学療法士

趣味のイラストや工作の展示、イラスト素材の制作などをしています。

Mail:sofu-s★sofustudio.com
(★を@に変えて送信してください)